一般に、35歳以上での出産を高齢出産と言います。その割合は上昇傾向にあり、2013年度では約24%の妊婦さんが高齢出産だったと言われています。
初産が高齢出産だったというママも、最近ではまったく珍しくないですよね。けれど、いろいろと心配もあります。具体的に、高齢出産ではどのようなリスクが考えられるでしょうか。
例えば流産の危険性。妊娠初期の流産は先天性の問題で、ママに責任がない場合がほとんどではありますが、全体の自然流産の確立が10%であるので対し、35歳以上の妊婦さんの自然流産の確立が20%と、かなり高くなります。不妊治療の項目でも触れましたが、やはり卵子の老化などが関わっているようです。
他にも、妊娠高血圧症候群、いわゆる“妊娠中毒症”などもリスクも考えられます。妊娠中にひどくむくむ場合や、尿にタンパクがおりたときなどに診断され、悪化すると母子ともに命に危険が及ぶこともあります。初期流産と同様、20代のママでも見受けられるものではありますが、高齢出産の場合は、その確率がおよそ2倍ほどだと言われています。これも、ママの加齢による内臓機能の低下などが考えられます。より丁寧な体調管理や体重管理に気を付けなければなりませんね。
また、高齢出産の場合、帝王切開になる確率も高くなるようです。病院によっては、40歳を超えて初産となると、出産時期が近づき重大な問題が見つからない場合でも、帝王切開を提案することもあるようです。
もう一つ。高齢出産について考えるとき、脳裏をよぎるワードがありますね。ダウン症です。何となく、染色体の数が1本多くて…という情報はお持ちかと思いますが、発育の遅れや、心臓に関する合併症を引き起こすことが多いです。ダウン症の原因も、卵子の加齢にあるとする見方が強まっています。実際に、ダウン症のベビーが生まれる確率は、20代で0.1%未満であるのに対し、35歳以上では0.3%、40歳以上では1%になるというデータもあります。
いずれも、高齢出産だから、とイコールでつなぐことのできるものではありません。ですが、数字だけを見れば、ママの年齢とママとベビーが負うリスクは比例していると言えそうです。妊娠、出産に気を付けて気をつけ過ぎることなんてありません。不安があれば、いち早く産院へ相談しましょう。