
近年増加している不妊治療カップル。男性が抱える不妊の原因と聞くと、ニュースや新聞などで目にしたことのあるものとして無精子症というのが頭に浮かびやすいのではないでしょうか。字が示すとおり、精子が無い状態のことを指し、男性のおよそ1%がこの状態にあると言われています。しかしこれはあくまで射精された精液の中に精子がない、という話。
もともと精巣で精子を作る能力に問題がある場合を非閉塞性無精子症といいます。これは無精子症全体の約8割を占めます。対して、精子を作る能力はあるものの正常に射精できていない場合を閉塞性無精子症といいます。今回はこちらのお話をさせていただきます。
なぜ精子が出てこられない?
通常、精巣内(睾丸)でつくられた精子はそのまま蓄えられ、精管を通り射精されます。このとき精液は出るものの、その中に精子が無いというのですね。正常に精子が射精されない状態ということで、精路通過障害とも言われます。
考えられる原因として、先天性の精管欠損、後天性の精管欠損、細菌感染などによる精管の炎症、鼠径ヘルニアなどの手術による影響、などが考えられます。病歴などは思い当たることがあれば調べれば済みますが、例えば精管欠損などは排尿などにも影響がなく射精も行うことができているため、なかなか自覚することは難しいようです。また、精管は左右にあるからと軽く考えているのも危険。長年精管に異常が見られるままの状態が続いていると、精巣機能も低下するとも言われています。
昨今、一昔前ならば妊娠を諦めろと言われていた年齢での出産が、どんどん可能になっています。あちこちで元気なベビーが誕生しています。精神的なこと、金銭的なこと、抱える問題は体のことのみではありませんが、この人との間にベビーを授かりたいと思えるパートナーに巡り合えたことは、胸を張れることです。
不妊治療において、原因がはっきりするということは、おそらく幸運なことなのだと思います。少しでも可能性を高めるために、自分たちのやり方、病歴や年齢に不安がある場合は、早めに検査しましょう。