お産の際に、立ち会い出産が当たり前の選択肢となったのはこの15年ほどのことだと言われています。ベビーが誕生する感動的な場面に立ち会う、文字に起こすと素敵ですが、きれいごとだけではなさそうです。かくいう我が家も立ち会い出産を選択しました。今回は、自身の経験と併せて立ち会い出産についてのお話しをしたいと思います。
立ち会い出産の流れ
まずは、出産予定の産院に確認しておきましょう。立ち会いのための講習の受講が必要だったり、設備や産院の方針によって不可だったりする場合も考えられます。また、パパ自身が立ち会うことができるか、確認しておくことも大切ですね。もちろん、ママ自身にも確認。いろいろな姿をさらけ出すわけなので、ノリやなんとなく、だけで決めてしまうことのないように。立ち会う場合には、パパには陣痛を楽にするマッサージなどお手伝いできることを勉強してもらって、ぜひ実戦してもらいましょう。ベビーが誕生した後は、しばらく家族いっしょに休憩させてもらえることが多いようです。産院によってはパパがへその緒を切らせてもらえるところもあるようです。カメラの持ち込みや撮影についてなどは、こちらも事前に産院に確認しておきましょうね。
ショックを受けるパパもいる?
感動的な場面に立ち会えるという素敵な面ばかりに注目していると、いざ立ち会ったときにショックを受けてしまうパパも居ると聞きます。
例えば、陣痛が本当に辛くなってくると、ママには余裕なんてありません。叫んだり言葉が乱暴になったり、性格が変わってしまうママだっています。命がけなのです。いきんだはずみでおしっこやうんちが出てしまうことだってあります。顔だって今までに見たことがないくらいブサイクになってしまうかも。
また、出産の際、ベビーの後にはベビーを10か月間守ってきてくれた胎盤など、生々しいものも出てきます。出血だってあります。においだってあります。いのちが誕生する場面なのです。当然ですね。
我が家の場合、夫が産院に到着したときには陣痛が始まっており、2時間ほど痛みに叫んだりうなったりするわたしに付き合ってもらいました。その間足や背中をさすってもらったり、ゼリー飲料を飲ませてもらったり、お産のお手伝いをしてもいました。実のところ、夫よりも看護師さんにしてもらうマッサージの方が100倍楽になっていたのですが…。いざ分娩となると、わたしの方に恥じらい?が出てきて「呼ぶまで入ってこないで」と夫には分娩室から出てもらい、恥も外聞もなく思いっきりいきんで、もう頭がでたよ!という頃に再入室してもらいました。夫が撮影したビデオは娘の産声から始まっています。
実際に立ち会った夫に、立ち会いに臨むパパへのアドバイスは何かと訊いてみました。一言、「冷静であれ」だそうです。先輩の話を聞くと、血を見てパニックになってお産の邪魔をしてしまったり、ベビー誕生でハイになり自分の親(ママからすると義両親)にばかり構ったりすることが、後に遺恨を遺すこともあると。また、何十時間にも及ぶお産では、ママももちろん、立ち会うパパも疲れてしまうことがあるため、うっかり分娩時に寝てしまっていてビデオをまわし損ねた、なんて話も聞きます。パパのコンディションも整えておく必要があるようです。お産については事前に講習を受けたり、周りの経産婦さんの話を聞いたりすることもできるし、パパもしっかり勉強しましょうとのことでした。加えて、きちんと根回しをして職場の理解を得ておくことも重要だそうです。
お産は一生にそうあることではありません。立ち会い出産は、条件が許せば、それは素晴らしいことなのだと思います。けれど良い面ばかりに注目するのではなく、ベビーに気持ち良く誕生し、家族になってもらうためにも、事前にきちんと話し合いをしておきましょう。