子宮の病気 ~早期発見のカギは定期受診!~
ベビーを授かりたいと思ったとき、自分の体がベビーを迎えるのに問題がないか、いろいろと心配になりますね。生理のときに気になる程度だった子宮や卵巣のはたらき、痛み、違和感にも、敏感になってきます。今回は、子宮の病気にまつわるお話です。
子宮は下腹部の中央あたり、膣の一番奥にあります。子宮口のあたりを子宮頚部といいます。大きさは個人差がありますが、卵くらいの大きさだと言われています。まれに場所に異常があったり、奇形だったりする場合もありますが、自覚症状はなく、検査や不妊治療の際に発覚することが多いようです。月に1度月経というかたちで妊娠の準備をし、ベビーが居やすい環境を整えます。
子宮筋腫
子宮に関する病気の中でも耳にすることの多い“子宮筋腫”。成人女性の約20%が発症するとも言われており、子宮に関係する病気の中ではもっとも多いようです。子宮筋腫とは、字のとおり、子宮の筋肉に良性の腫瘍ができる病気です。子宮は実はそのほとんどが筋肉でできています。妊娠すると、子宮には最終的にベビーを押し出す仕事が待っているので、筋肉が多いというのはわかる話ですね。子宮に筋腫ができると、経血の量が増えたり、経血に血の塊が混じっていることがあったりしますが、なかなか自覚症状には結び付きにくいようです。腫瘍と聞くと思い病気を連想してしまいそうですが、子宮筋腫はこぶのようなものであり、これが原因で亡くなるケースはほぼありません。しかし、筋腫の大きさは小指ほどの小さなものから、放置の末10㎏を超えるものまであると言われています。知らないうちに尿管を圧迫したり、不妊の原因になったりする場合もあるので、定期的に検査を受けることが早期発見につながるようです。
子宮内膜症
こちらも、子宮の病気では子宮筋腫と並んで多いものです。子宮には内膜があり、生理のたびに血液の剥離、出血行われていますが、この子宮内膜が子宮内部以外の場所、例えば卵巣などに入り込んでしまうのが子宮内膜症です。よその場所にあっても、生理のたびに子宮内膜のはたらきをするので子宮以外からの出血などが見られるのですね。子宮内膜症にも決定的な自覚症状は見つけにくいようですが、寝込むほどに生理痛がひどかったり、生理周期があまりに短かったりする場合などは、一度検査に行ってみることを強くおすすめします。
このほかにも、子宮頸管や内膜にできるポリープ、子宮がん、子宮頸がんなどが挙げられます。学生のころ、昔からお世話になっていた婦人科のお医者さんに、セックスするようになったら定期的に子宮がん、子宮頸がんの検査は受けておくのがマナーよ、と言ってもらったことがあります。この20年ほどで20代~30代の女性の子宮の病気の発症率は高くなっている傾向にあります。それは、環境ホルモンのせいだとも言うし、分娩数が減ったからとも言うし、いずれにしろはっきりした原因を追究するのはなかなか難しいようです。自覚症状が見つかりにくい分、見逃しがちですが、自分とベビーを守るためにも定期的な受診を心がけたいですね。