代理出産と聞いて、記憶に新しいのは2014年夏に、日本人男性がタイ人の複数の女性を代理母として10人ほどの自分の子どもを出産させていたニュースではないでしょうか。連日報道され、大小あれど衝撃を受けた方も多かったと思います。
代理出産とは、何らかの理由から自身で子どもを産むことができないママが、出産後の引き渡しを前提に他の女性に子どもを産んでもらうことです。何らかの理由の中で最も多いのが、子宮がんなどの婦人科系の病気で、妊娠・出産に必要な器官が機能しない、取り去っている場合でしょうか。場合によって卵子は採取できるので、一口に代理出産と言っても、パターンはさまざまです。
日本国内では代理出産は、事実上禁止されています。ですが、あくまで国内での話なので、海外で代理出産を依頼する日本人カップルがいないわけではありません。しかし、日本における代理出産や、代理出産で生まれたベビーについての法整備はまだ追いついておらず、例えば、海外で代理出産で生まれたベビーを自分たちの実子として出生を届け出たかったけれど認められない、などの問題が出てきています。現行の日本の民法では母親は産んだ本人となるので、たとえママ自身の卵子を用いた代理出産であっても、養子縁組をすることになるのです。なんだか切ないですね。
これは海外での話ですが、代理出産を依頼して生まれたベビーがダウン症だったので、引き取りを拒否した事案や、逆に引き渡しを拒否した事案、代理出産を引き受けたけれど流産してしまい、その影響の後遺症に苦しんでいる女性が話など、倫理的な問題と並行して考えていかなければならないケースが出てきています。
自分たちにベビーを授かる力がどうしようもなく無いのだとしたら、代理出産はひとつの選択肢としてすごく大きな存在感があるのだと思います。だからここで、代理出産を依頼しようとしてるならよく考えてね!なんてチープなことは書きたくないのですが、初産の平均年齢の加齢や不妊カップルが増えている背景も交えて、選択する方々の負担が少しでも減るようになっていくことを願います。