高度不妊治療 ~時間・お金・強い気持ち~
昨今耳する機会の多い“不妊治療”。一般に、健康なカップルが避妊せずにセックスをしていて2年経っても子どもを授からない状態を、不妊症と言います。状態です、病気ではありません。
一般に不妊治療には保険適用となる薬物治療や異常のある卵管・精管などを形成する治療法と、保険適用外となる人工授精・体外受精があります。高度不妊治療とは、このうちの体外受精を指します。
高度不妊治療は、日本では配偶者間にのみ認められている治療法です。具体的に、培養器の中で受精卵を培養して子宮に戻す体外受精、培養器で精子と卵子を混ぜ合わせて子宮内に戻し受精することを期待する配偶子卵管内移植、顕微鏡下で精子を直接卵子に注入して受精卵をつくり子宮にもどす顕微授精などがあります。体外受精、顕微授精、などはニュースで取り上げられることもありますし、もはや珍しい言葉ではありませんよね。治療法は多岐にわたりますし、各カップルに合ったもの、各病院によって得意とする分野があるので、ここで紹介したものがすべてではありません。
高度不妊治療にはまだ保険が適用されていませんが、助成金制度はあります。といっても経済的な負担は決して軽くはありません。お仕事をされている場合なら、通院のたびに欠勤したり、職場によってはその報告をするのもストレスですよね。検査に始まって実際の治療に入って、と時間もかかります。月イチの生理がわずらわしいと思っていた時期もあったはずなのにね。
また、体力的にも辛いことももちろんあります。例えば、不妊治療にはどうしても卵子が、それもできるだけ状態の良いものが数多くあればあるほど、治療が進みやすくなります。ですので、女性には排卵を誘発する薬の投与、いわゆるホルモン注射をしなければなりません。この副作用が辛いと言われていますね。副作用は、めまい、吐き気、太ったりニキビができたりと、薬の種類や治療の段階によって人それぞれです。
現在日本では約50万人の方々が何らかの不妊治療を行っていると言われています。2012年ではその年に生まれたベビーのうち27人に1人が高度不妊治療によって誕生したとも言われています。そのくらい浸透しているし普及もしている。けれどその負担は大きいですね。
これらのことと、未来のママ、パパたちは向き合い、支え合いながら戦っているんですね。