産後うつという言葉が当たり前に聞かれるようになったのは、ここ数年のことです。出産後、およそ10~15%ほどのママが悩まされるとも言われています。10人に1人。少なくないですね。
産後うつとは?
原因ははっきりとは解明されておらず、諸説ある中で、ホルモンバランスが著しく乱れることが関わっているのではないかと考えられています。確かに、子宮が一気に収縮したり、母乳を作ったり、生活の時間帯がそれまでと一変したり…と、産後のママにはホルモンバランスが乱れる要因が満載ですね。
産後うつとはいいつつも、気が滅入ったり何もやる気が起きないというような、どこかで聞きかじったことのある“うつ”の症状だけではなく、なぜだか涙もろくなったり、感情的になりやすくなったりすることもその一種だと言われています。とにかく生活が様変わりして、初めての育児に戸惑ったり自信をなくすような場面もたくさん。決してママの落ち度が招くことではありません。
産後、わたしが最も憂鬱だと感じるようになったのは、自由に外に出かけられる時間が減ったこと。特に産休に入る直前まで好きに働いていた経験のあるママは、強く感じることかもしれません。仕事の帰りにちょっと洋服を見に寄ったり、本屋に寄ったり、ゆっくり夕飯の買い物をすることで実はすごくリラックスしていたんだと改めて思いました。電車の中で好きにスマホをいじっていたことでさえ恋しくなったりして。また、自分でお金を稼がないということも、慣れないうちはストレスでした。もちろんその分のエネルギーを家事に注ぐことはできるんだけど、それは妊娠中の話で、産後はそうもいかないことがとっても多い。
だから、わたしの場合は育児をしながら思いつくだけ好きなことをしました。例えば、編み物。ベビーをバウンサーに乗せて、お行儀は悪いけど足で揺らしながらベビーの帽子やおそろいでパパママのマフラーを編んだりしていました。他にも、バラエティ番組が好きなので深夜バラエティを思いつくままに録画しておいて、授乳中に片っ端から視聴したり。バラエティを見るために起きてると思えば、夜中の授乳もそんなに辛くないしね。パパに頼んでDVDを借りてきてもらって、これまでちゃんと見る機会がなかった有名映画を見たり、働いてたときにはできなかった贅沢な時間の使い方をしていました。
時間が経てば、ベビーは新生児から乳児になり、笑ってくれることも、笑った声を聞かせてくれることも増えてきます。ママもベビーもおっぱいやオムツに慣れてくるし、外に散歩に出られるようにもなってきます。出産前の自由を取り戻しつつ、子どもが居る暮らしをかみ締めていると、ああ、幸せやなと思っちゃいます。しんどいときもあるけど、ずーっと続くわけではないですから。ね。