性感染症 ~誰にでも潜む可能性~
性感染症とは、性行為で病原体が感染し発症する病気のことです。英語表記【Sexually Transmitted Diseases】の頭文字をとって“STD”と表現されることもあります。
性行為によって、病原体を含んだ精液や膣分泌液、血液などが生殖器や口・鼻の粘膜を通じて感染することによってさまざまな症状が引き起こされます。オーラルセックスでの感染もあり得るということですね。代表的なものには、クラミジア、性器ヘルペスなどがあり、HIVの感染もこれに含まれます。
不特定多数の男女との性行為を繰り返すことで、感染する可能性自体は確かに高まりますが、特定のパートナーのみとの関係ならば感染しないわけではありません。自分の今のパートナー、過去のパートナー、パートナーの過去パートナー、パートナーの過去のパートナーのパートナー…と、この中の誰か一人が感染していると、感染する可能性があります。放置したままにしておくと、不妊の原因となったり、ベビーへ母子感染したりする可能性も出てきてしまいます。
1番多いのは女性の性器クラミジア
男女ともに性感染症の中では最も数の多い症状です。男性が発症すると、男性器から膿のようなものが出たりかゆみがあったりします。女性が発症すると、おりものが増えたり下腹部が痛くなったりということはあるようですが、ほとんどの場合気が付かないようです。子宮頸管で炎症を起こすことが多く、炎症が卵巣や腹膜にまで広がることもあり、不妊や子宮外妊娠の原因にもなり得ます。きちんと妊婦健診を受けていれば妊娠30週までに産院で検査してもらうことが多いです。もし感染したままの出産となると、生まれたベビーへ感染し、ベビーが肺炎になったりひどいときでは失明したりするといった報告もあるようです。治療は服薬など簡単なものなので、検査の結果、治療が必要な場合はきっちり治してから出産に臨みましょう。
セックスの低年齢化、オーラルセックスの一般化などにともない、ここ数年で若い世代の性感染症の感染率は高くなっています。女性の場合は婦人科、男性の場合は泌尿器科で診察してもらえます。パートナーと安全にベビーを迎えるためにも、もしかして?と思ったらまずは検査に行ってみましょう。